ただ、今回は、ちょっとジョークというか、その前提となるお話しをしてみようかなんて思っています。
この次にこのネタを書く際に、私の考える最良のブラウザを示してみたいと思います。
(続きはこちら)
□まん延するニセ科学 大阪大学教授 菊池誠
…菊池誠教授かっこよすぎる。でも、左手自重しろwww
この動画は2006/12/18に放送されたNHKの視点・論点です。
ネット上でかなり評判となったので、ご存じの方もいるかと思います。
(ブラウザ関係に限らず)私の普段考えていることを非常にうまく表現なさっているので、これを使ってパロなんかを作ってみようかななんて思いました。
分野は違えどもいっている根本のことは同じです。最良のブラウザというのはみなさんが自分で試行錯誤して見つけるしかないのです。
このパロはもちろんジョークですが、みなさん各自に思うところがあれば、初心者のブラウザ選びの参考になればいいかななんて思っています。
※ああ、また怒られる(笑)。
それにしても、原文をそのまま維持するのって難しいよね。
みなさんは、「エセマニュアルブログ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
これは、見かけは合理的な説明をしているようだけれども、実は、合理的とはとてもいえないブログのことで、「疑似マニュアルブログ」や「似非マニュアルブログ」などとも呼ばれます。
「そんなものがどこにあるんだ」とお思いの方も、例として、タイトルに「ブラウザ頂上決戦−最強のブラウザはこれ」や、「決定版−ブラウザはこれを使った方がいい」や、「ブラウザガチンコバトル」などと書かれたものと名前を挙げれば、「ああ、そういうもののことか」と納得されるかもしれません。それとも、かえって、「え?」と驚かれるでしょうか。
例えば、皆さんもよくご存知のように、「Firefoxが最強のブラウザである」と盛んに言われ、ひところは大手ブログサイトもこぞって記事を出すほどのブームになりました。「Firefox関連記事」がよく読まれたのは、もちろん、その記事に合理的な裏づけがあると信じた人が多かったからでしょう。テレビや雑誌などでも頻繁に取り上げられましたから、それを疑えという方が無理な話かもしれません。
しかし、実は、「Firefoxが最強のブラウザである」という合理的な根拠はまだないといってよいのです。あのブームは、まったくの空騒ぎでした。大手ブログまでが、なぜその空騒ぎに乗ってしまったのか、きちんと検証しておく必要があります。
今は、「Windows」を使った「Safari」に人気が出てきているようです。しかし、実のところ、「Safari」に乗り換えたところで、せいぜいお守り程度の快適性しか期待できません。
いま、このような、合理的のようで合理的ではない、「エセマニュアルブログ」が蔓延しています。
こういった「エセマニュアルブログ」のなかに、Firefoxに関わるものがあります。その話をしたいと思います。
よく知られている例の一つは、「この拡張を入れると驚異的にスピードが上がる○○の方法」という、いわゆる「メモリーリーク拡張至上主義」説です。しかし、この説に合理的に信頼しうる根拠はないのです。その意味で、これもまた「エセマニュアルブログ」です。
もちろん、どんな拡張にもそれなりの効果がありますから、いささか速度が上がることもあるでしょう。しかし、それくらいならその拡張を入れていてもいなくてもほとんど同じことです。Firefoxが根本的に早くなるかどうかとは、まったく別の話なのです。
ところが、この説は、ブログ読者に広く受け入れられています。全国各地で「はてなブックマーク」や「Livedoorクリップ」が数多くつけられているようです。
もちろん、Firefoxが重くて困っているというユーザーは多いでしょうし、ブログサイト側もそういう風潮を何とかしたいと思っているのでしょう。
そういうみなさんにとって、「メモリーリーク拡張至上主義」説が一見、福音に思えたことは分かりますが、合理的根拠のないものに飛びついても仕方がありません。
そもそも、Firefoxが重いというのは、Firefox自体の問題ではなく、拡張の入れすぎの問題だったはずです。Firefoxが重くて困ると考えるなら、各々の環境、スタイルに合わせ、拡張を減らすようにきちんと指導するべきでしょう。Firefoxの速度改善を、メモリーリークを改善する拡張だけに求めようとしてはいけません。
もう一つ、今度は、ブラウザシェア率にまつわる奇妙な説を紹介しましょう。
ブラウザシェア率が高いのはいいブラウザで、ブラウザシェア率が低いのは悪いブラウザだというのです。
ブラウザシェア率というのは全ユーザーの中でそのブラウザを使用しているブラウザの割合のことですから、このブラウザシェア率の良し悪しはブラウザの性能を決定しているという主張です。しかし、もちろん、そんな馬鹿なことはありません。
ブラウザシェア率はただの数字です。各々のPC環境も、そのスタイルも全く違いますし、各人が感じる利便性も全く異なります。「ブラウザのシェア率がブラウザの性能に影響する」など、いい大人が信じるような話ではなかったはずです。ところが、これが広く信じられています。「ブラウザシェア率が高い」といわれると、それだけで「いいブラウザ」だと思い込んでしまう人は、意外に多いらしいのです。
この説が、いくつものブログで紹介記事として使われていることが問題になっています。ブログのネタとして格好のものと思われたようです。
しかし、本当にそうでしょうか。
この紹介記事はたくさんの問題を含んでいます。
まず第一に、明らかに合理的に誤っています。ブラウザの多機能化、多様性化がいわれる今、ブログ読者の反応がいいからといって、ここまで非合理的な話を事実であるかのように教えていいはずがありません。
しかし、それ以上に問題なのは、ブラウザの性能の根拠をブラウザシェア率という統計に求めようとしていることです。
ブラウザシェア率の統計は、人間の行動を数値化しようとするため手段ですから、その使い方は、あくまでも、人間が自分の頭で考えなくてはならないはずです。ブラウザシェア率はどんな状況下でも万全の尺度なのか。それを考えてみれば、この話のおかしさは分かるはずです。
「メモリーリーク拡張至上主義」説のように安易な二分論を求めたのと同様、ここではブラウザの性能の根拠を、分かりやすく数字化されたブラウザシェア率に求めようとしています。
自分にとって最良なブラウザとは何かという答えのない判断に対して、断定的な結論を解説系ブログに求め過ぎています。
ブラウザ選択もブラウザ利用法も、人間が自分の頭で考えなくてはならないことであって、ブログに教わるものではないはずです。
さて、「エセマニュアルブログ」が受け入れられるのは、合理的に見えるからです。つまり、エセマニュアルブログを信じる人たちは、ブログが嫌いなのでも、ブログに不信を抱いているのでもない、むしろ、ブログを信頼しているからこそ、信じるわけです。
例えば、Firefoxがブームになったのは、「Firefoxが最強のブラウザである」という説明を多くの人が「合理的知識」として受け入れたからです。
しかし、仮に、公平で良心的なブラウザギークに、「最強のブラウザは何ですか」とたずねてみても、そのような単純な二分法では答えてくれないはずです。
「ブラウザといってもいろいろあるので、その場面ごとにいいものも悪いものもあるでしょうし、いい、便利な機能といっても速度が遅くなったり、環境や好みに作用されることもあるでしょうし、ぶつぶつ……」と、まあ、歯切れの悪い答えしか返ってこないでしょう。
それが合理的な誠実さだからしょうがないのです。
ところが「エセマニュアルブログ」は断言してくれます。
「Firefoxはいいといったらいいし、Operaは悪いといったら悪いのです。
また、Firefoxが重いのはこの拡張を入れていないからです。
ブラウザシェア率はブラウザの性能を意味しているから、ブラウザシェア率が高いブラウザがいいブラウザなのです。」
このように、「エセマニュアルブログ」は実に小気味よく、物事に白黒を付けてくれます。この思い切りの良さは、誠実な解説ブログには決して期待できないものです。
しかし、パブリックイメージとしてのブログは、むしろ、こちらなのかもしれません。
「解説ブログとは、様々な問題に対して、曖昧さなく白黒はっきりつけるもの」
ブログにはそういうイメージが浸透しているのではないでしょうか。
そうだとすると、「エセマニュアルブログ」は誠実な解説ブログよりもブログらしく見えているのかもしれません。
確かに、なんでもかんでも単純な二分法で割り切れるなら簡単でしょう。しかし、残念ながら、世界はそれほど単純にはできていません。その単純ではない部分をきちんと考えていくことこそが、重要だったはずです。そして、それを考えるのが、本来の「合理的思考」であり「科学的思考」なのです。二分法は、思考停止に他なりません。
「エセマニュアルブログ」に限らず、良いのか悪いのかといった二分法的思考で、結論だけを求める風潮が社会に蔓延しつつあるように思います。そうではなく、私たちは、「合理的な思考のプロセス」、それを大事にするべきなのです。
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□ニセ科学入門
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