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 No. 695 エントリー 2008/06/22(日) 20:33:18

[論点 27] メールという手段を使ってストーキングをすると? この記事をはてなブックマークに登録 この記事を livedoor クリップに登録 この記事の livedoor クリップ数

日本のストーカー規制法にはいろいろと問題があるよね。
そんなことを2chのネタスレを見ていて思いました。

(続きはこちら)




俺が勝手に彼女だと思い込んでる女とのメールを晒すスレ


俺が勝手に彼女だと思い込んでる女とのメールを晒すスレ:ハムスター速報 2ろぐ

まあ、これはネタですので、それ自体はほのぼのしていて非常に面白いのですが、ここでも話題となっていた、メールという手段を使ってストーキング行為をすることは、実は、日本の法律(ストーカー規制法)では(少なくとも法文上では)規制の対象外だったりします。
今回はそのようなお話しをしたいと思います。


ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)

この法律が日本のストーカーを規制する法律なのですが、この法律は例の事件を受けてドタバタと作られたためか、不十分な点がたくさんあるという指摘がなされています。

桶川ストーカー殺人事件 - Wikipedia

せっかくなので、ちょっとだけ法律を見てみましょう。
ストーカー行為等の規制等に関する法律

なんか最初から複雑ですよね。

この法律の2条1項と2項とで定義と構成要件が規定されているのですが、これが複雑でちょっと分かりづらい規定の仕方となっています。
まあ、これは要するに、(大雑把に誤解を恐れずにいえば)特定の目的をもって1号から8号の行為をすることを「つきまとい等」と定義し、それを反復してすることを「ストーカー行為」として、それをしたものを罰するというようなことが書いてあるわけです。

それでさっそくですが、先ほどのメール行為が該当しそうなものを「つきまとい行為」の中から探してみると、5号に該当しそうな気がしますね(まあ、これ以外は該当しそうもないのですけれども)。
そして、これをよく読んでみるとあることに気がつきます。

五 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ若しくはファクシミリ装置を用いて送信すること。


そうですね、メール行為がないですね。
従って、そういう行為はストーカー規制法には該当しない行為だということになりそうです。
※メール行為もこれらに準ずるのでこれに該当するとすればいいと思った人もいるでしょうが、この法律違反は罰則を伴うので、罪刑法定主義の観点からはあまりそういう法運用は好ましくないといえると思います。

では、なぜメール行為が規定されていないのでしょうか。
この法律ができた頃にも、もちろんメールは存在しましたし、立法者もそのことを認識していました。しかし、実は敢えてメールは外されたそうです。その理由は、一般的には、立法者はメールといってもそこでのメールはパソコンのメールを想定していて、「イヤなメールを開けなければいい、着信拒否にすればいいと考えていたのではないか、そうであるならばそれを対象に含める必要はないのではないかと考えていたのではないか」といわれています。逆に、それに比べて、電話とかFAXとかは、勝手に鳴り出したり、受信したりするので、被害者自身がそれコントロールすることができず、高度に恐怖心、不安感を与えてしまうので、それはストーカー行為として類型化する必要があると考えたのではないかということですね。

これについては納得がいかないと感じられた方もおられるのではないでしょうか。

何故、これをわざわざ外したのでしょうね。
詳しいことは私にはよく分かりませんが、たぶん、仮に「ストーカー行為」と認められると、権力的行政処分である「命令」が4条により下されるので(一般的にいえばこの種の行政処分は謙抑的になされるべきであると考えられていますから)、条文の規定も限定的にするべきだと考えられたのではないでしょうか。
※まあ、そういう意味もあってこのような感じで制限をしているのでしょうけれども、本音的な意味でこれをみてみると、警察が人的関係に介入して問題を解決することは、現実実務上、難しいと考えられますから、できるだけそのような該当する行為を減らしたかったのかもしれませんね。
あくまでも個人的な予想ですけど。

とはいっても、仮に上記の理由が合理性を持っており、パソコンの場合はそうであったとしても、いまの人はみんなケータイをもっていて、メールをしていますから、ケータイのメールを考えると、やはり精神的な恐怖感というのは、この号にある他の方法と変わりないといえるのではないかと思います。

そういう観点から見れば、これはやはり法律の不備といわれてもしょうがないといえそうですね。


ちなみに、この法律に例え該当しなかったとしても、そういう行為をやっていいというわけではありません。場合によっては、そういう行為が、他の法律、あるいは条例に該当する可能性は十分にありますから、結局のところ、処罰されるということになることになるかと思います。

あくまでも、この法律だけのお話しであるということに留意していただきたいと思います。

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