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 No. 883 エントリー 2009/01/09(金) 00:04:44

[論点 48] 新聞紙を規制する法律からマスメディアを考えてみる この記事をはてなブックマークに登録

ネットをつらつらと見ていたら、マスメディアへの不信感が強いということに気付きました(まあ、だいぶ前から思っていたんですけどね)。

それで、何でそうなってしまったのだろうということをちょっと考えてみました。

(続きはこちら)




まあ、どの業界でも、法律の規制というものはあるものです。それがどんなに小さな業界でも、実は法律が規制していたりします(こんなマニアックなものまであるのかと驚くくらいですね)。
例えば、有名なところでしたら、医薬品でしたら、薬事法がありますし、公衆浴場だったら公衆浴場法があるといった具合です。

薬事法 - Wikipedia
公衆浴場法 - Wikipedia

まあ、自由経済を強く主張するなら、このような規制はなくして(あるいは、緩やかにして)規制緩和をすべきということになるのですが、それらを無制限に野放しに、自由経済に任せておくと国民の安全や利益を損なうおそれもありますから、それに対する一定限度の規制の必要性があるということになっているのです。
※これらの法律では主に国民の安全の保護を主眼としています

それで、ここからが本題ですが、実は、日本には、(非常に重要な分野において)このような一般的な規制がない分野があったりします。正確には、かつてあったけど、現在はない分野というものがあるのです。

それが、新聞業界ですね。

新聞紙法 - Wikipedia

新聞紙法(しんぶんしほう)は、戦前日本で制定された、日刊新聞および定期刊行雑誌を規制する法律。新聞紙条例を引き継ぐ形で1909年に公布・施行された。全45条と附則からなる。1949年に廃止。


廃止

問題となった写真太平洋戦争の終結に伴い日本を占領した連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は、1945年9月24日に「新聞界の政府からの分離に関する覚書」、同9月27日に「新聞および言論の自由に関する追加措置」(ただし29日付)を発し、これにより新聞紙法は事実上失効した。なおこの間、9月27日の会見時に撮影された3枚の昭和天皇とマッカーサーが並び立つ写真のうち1枚を9月29日に新聞各紙が掲載したことに対し、内務省が新聞紙法第23条を理由に頒布を禁止するなど、混乱も見られる。

1949年(昭和24年)5月24日に正式に廃止となった。


まあ、歴史的に簡単に言うと、新聞という新たなマスメディアの誕生には、市民の味方となって政府を批評し、政府の行う施策のチェック機能を果たすという重要な役割を担うようになったといういわゆる教科書的な意義があって、でも、その影響力の強さから、その後、逆に政府に戦争のプロパガンダに利用されてしまい、戦争の惨事を拡大してしまったということがあり、その反省から、ジャーナリズムの大切さが再認識されるようになったわけで、そんな感じで現在に至っているわけです。

その過程で、マスメディアは「表現の自由」と「報道の自由」という重要な役割を担うものとして、(乱暴にいえば)いわゆる聖域化したわけです。だから、元々の廃止の意図は、国家総動員法による国家と新聞の融合の分離というものでしたが、その戦後改革が終わっても、その後、それを一般的に規制する法律は作られなかったのだということだと思います。

ここで誤解して欲しくないのは、別に私が法律で規制することがいいことだいっているわけではありません。ただ単に客観的に見ると、他の分野と比べて特別な地位にある(特権が与えられている)ことは確かだという事実をいっているのです。
もちろん、私には法律で規制することがいいことかどうかは分かりませんし、その評価は私には判断しかねます。

しかしながら、一般論をいえば、強大な権力が何物にも制限を受けないというのは、経験則からいって横暴、堕落、奢りを生むことは歴史が証明していますよね。

(昔はそうでもありませんでしたが)今では、巨大な権力を持つ政府を非難してきたマスメディア自体が逆に今度はいち巨大権力です。ネットでの批評、コメントを見ていると、マスメディアにもいささか横暴な面があったのではないかなと思ったりします。そうでなければ、あれほどのネット上でのマスメディアに対する不信感の表れは生じないはずです。
※図式的には、力の大きさからいえば、政治権力>マスメディア>>>>>ネットといった感じですかね

そういうことを鑑みれば、昨今のマスメディアに対する規制の議論に対して、マスメディアは伝家の宝刀である「表現の自由」「報道の自由」を振りかざすだけではなく、自戒の念を込めて「なぜ、自分が批評されているのか」について考え直すべき時期にきているのかもしれませんね。


おまけ

個人的には、これほどマスメディアが巨大化した現在では、マスメディアが最初の頃に有していたチェック機能を果たすという、その本質的正当性が失われつつあるように思います。逆に、そういう意味では、むしろ、ネットの方がその役割を担ってきているように思ったりもするのです。

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